インターネットVPNとクローズドVPNの違いとは?

一般的に「VPN」という表現は「インターネットVPN」のことを指して用いられています。とはいえ、実際には「クローズドVPN」と呼ばれる別の形式に基づくVPNが存在しているのです。
では、それぞれの持つ特徴やメリット・デメリットについて考察しましょう。

インターネットVPNとは、公共のインターネット回線を介して実現するセキュリティーレベルの高いネットワークのことです。
トンネリングやデータの暗号化などにより、外部からの不正アクセスを受けたとしてもデータそのものの閲覧や搾取はまずできないようになっています。
公共のインターネットを使用するため、システムの構築にかかる費用は安価で、設定も容易というメリットがあります。加えて、光回線だけでなく、ADSLやISDNなどの回線にも対応していることや、ocnをはじめとして数多くのプロバイダがこのサービスを提供しているというのも強みでしょう。
ocnには固定ipを使ったモバイルのプランもあります。一方で、公共のインターネットを利用しているため通信速度が不安定になることがあるというデメリットがあります。
また、通信の経路が毎回変化するため、外的要因によって突如接続ができなくなってしまうというリスクもはらんでいます。

クローズドVPNは、公共のインターネット回線ではなく、NTTなどの通信事業者が保有する閉鎖回線を通して構成されるネットワークのことです。ですから、セキュリティーレベルや機密保持の信頼性に関してはインターネットVPNを圧倒しているということができるでしょう。
また、外的要因の影響を受けにくいことから、ネットワークとして大変安定しているという点もメリットといえます。ただし、クローズドVPNの利用中はインターネット回線に接続ができないため、インターネットを参照しつつ作業をするということは不可能です。これはクローズドVPNの大きなデメリットでしょう。
また、特殊な回路を占有するわけですから、インターネットVPNと比べるとコストもかなり割高になります。ですから、VPNを導入する主な目的や用途が一体何かという点を念頭に置きながら比較検討すると賢明な決定が下せるでしょう。